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父が旅立ちました

  • 執筆者の写真: 文太郎 
    文太郎 
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

父が4月21日(火)、83歳で旅立ちました。

1年半前に母が亡くなり、その後も何とか一人で頑張って暮らしてくれておりましたが、その頃にはスキルス性の胃癌がかなり大きく広がっていることが後にわかり、既に手術などは難しい段階で、入院生活の後、昨年の9月から医療特化型の施設でお世話になっておりました。

 私が月に1~2回は帰れるので、その都度実家に連れ帰ったり、おそば、お寿司、中華など外食をするのをとても楽しみにしてくれていました。昨年末には私のディナーショーの席でコース料理もなんとか完食しておりましたが、少しずつ食欲も衰え、この1か月程で著しく体力も無くしていきました。

 先週の月曜日に私が仕事で帰った夕方会いに行った時、あまりはっきり会話はできませんでしたが、最後に「また連絡を待ってるぞ」と言ってくれて、その数時間後にお迎えが来たようです。

 いつも元気で、明るくて、わがままでマイペースでもありながら、知的で勉強家で思いやり深く、多くの同僚の先生方や卒業生の皆さんに慕っていただきました。

 小出高校と、その後35年に渡る新潟明訓高校での教員人生、父の仕事をしている姿は詳しくはわからないのですが、私の幼き頃には、大きな音のバイクや車高の低い車が家の前に数台止まって、なかなか豪快な卒業生の方々との酒盛りが始まった事があったり、学校行事でもないのにマイクロバスを運転して高校生たちを泊りがけのスキーに連れていったり、また管理職の先生方とはかなり激しく闘ったりと、今ではコンプラ違反だらけの先生だったようですが、充実した教員人生を送らせていただいたのだと思います。

 また仕事も忙しかったはずですが、スキーに登山に海外旅行にと、母と共に沢山の景色を見せてくれて、私の感性の原点を豊かに育ててくれました。退職後は自宅の隣で畑も始め、毎年30種類以上の野菜を育てるなど、常にパワフルで充実感に満ちた姿は感動的ですらありました。

 両親が仕事を退職する頃、ちょうど私は大学を卒業し、シャンソン歌手の道を本格的に歩み始めました。見通しの全く立たない音楽の道を歩むことを、父からは一度も反対されたことはありませんでした。しかし後から聞いた事には、随分心配して反対すべきかどうか迷っていた父を、同僚の先生方が「応援してあげなさい!」と強く言っていただいたと聞き、改めて先生方にも感謝する次第です。その後は、新潟での後援会の立ち上げ、また新聞社様や様々なお得意様との人間関係を築き、長きにわたって、母と共に、その人間関係を保ち続けてくれました。そんな両親の温かい愛情のおかげで、私はこれまで活動を続けてくることができました。にもかかわらず、時には生意気な態度を取ってしまったこともあり、心から詫びたいと思います。

 あんなに元気だった父が、コロナの後遺症や、母の病気と別れを経てどんどん痩せて、力を失ってしまいました。母が亡くなってから独り暮らしになってしまい、その一番心細かろう時に、なかなかそばにいてあげられず、実家から京都に戻る時の別れ際が少し寂しそうで、私はいつも「申し訳ないな」「お父さんに酷い事をしてしまってるんじゃないか」と思うのですが、父はいつも、「助かったぞ」「ありがとう」「また待ってるぞ」と、私には感謝の言葉しか口にしませんでした。 

 母が亡くなってからの1年半、父を支えてくれたのは、私の二人の叔母でした。この二人なくしては、父はこのように穏やかな最期を迎える事はできませんでした。入れ替わり立ち代わりかいがいしく世話をしてくれて、父も本当に心強かったと思います。改めて深く感謝申し上げます。  

 葬儀には、長い教員人生の同僚の先生方、テニスやハーモニカ、諸々の趣味のお仲間の方々、そして昭和30か40年代から平成までの、様々な年代の卒業生の皆様も駆けつけてくださいました。卒業生で私もご一緒させていただいた事もあるオペラ歌手の宮澤優子さんからは、いち早く実家に素敵なお花を届けていただきました。

 葬儀場の方に「思い出の写真をぜひ」ということで、せっかくなので沢山飾らせていただきました。探したら、あまり見た事の無かった現役時代のエネルギッシュな写真が沢山でてきて、皆すごい笑顔で、改めて父の人間性を噛みしめているところです。

 これからは、両親にもらった愛情を胸に、私共家族、支えて下さる皆様と共に、精一杯生きてまいります。今後ども何卒、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

                                  渋谷文太郎


※尚、5月3日に予定しておりました、八大神社での「宵々宮コンサート」は、神前での奉納の意味合いもあることから、中止となりました。ご予定いただいていた方には深くお詫び申し上げます。

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